2026.07.17 Update.

ニューヨークの片隅から始まった、Lorca Watchが奏でる"日常のロマン"|Brand Picks #08

ロレックス、オメガ、パテックフィリップ。腕時計のブランドと言えばやはりスイスのイメージですが、ニューヨークから静かに存在感を放ち始めた独立系ブランドがあります。

Lorca Watch(ロルカ ウォッチ)」は、世界中の文化が交錯する喧騒の中で静かにスタートしました。創業者は、ジェシー・マーシャント。彼は時計業界の出身ではなく、本業はなんとシンガーソングライター。ツアー生活の中で彼はふと「自分が本当に身につけたい時計は、どんなものだろう」と考えました。その答えを探す旅が、Lorca Watchというブランドの始まりでした。

祖父から受け継いだ、一本のゴールドウォッチ

ゴールドウォッチのイメージ

Lorcaの原点は、マーシャントが祖父から受け取った一本のゴールドウォッチ。
マーシャントの祖父も音楽家で、幼少期から音楽に親しんで育ったマーシャントにとって、祖父は家族であると同時に、先生や師匠のような存在だったのかも知れません。そんな祖父から受け取った「時計の世界」は、彼にただの時間を見る道具以上の影響を与えたはず。受け継いだ時計に乗せられた「感情」が、のちにLorcaの哲学を形づくる原点となりました。

理想の時計を探す旅

ツアーでヨーロッパやカナダ、世界を巡る中、マーシャントは自分が本当に身につけたい時計を探し続けていましたが、理想のものには辿り着けませんでした。
大きすぎたり、派手すぎたり、無機質すぎたり、機能に偏りすぎていたり。
彼の目には、スペックや存在感を競うあまり、「日常に寄り添う美しさ」から少し遠ざかってしまっているように映りました。

「ならば、自分で作るしかない。」

そう決意した彼は、スイスの時計師たちと手を組み、Lorca Watchを立ち上げます。

「ミッドサイズ」という、ちょうどいい主張

Lorcaを語るうえで、まず触れておくべき特徴が、ミッドサイズというケース径です。

36mmケースの装着イメージ
36mmケース

2000年代初頭から十数年、腕時計の世界では44mm前後の大型ケースがトレンドでしたが、いま静かに揺り戻しが起きており、36mm〜40mm前後のミッドサイズが注目されています。性別やシーンを問わず、スーツの袖口にもすっと収まり、ヴィンテージのような上品さがあります。
主張しすぎず、しかし埋もれない。ふと目を引かれるような佇まい。Lorcaはこの潮流を体現しています。

Model No.1 GMT — 旅する時計

Model No.1 GMT
Model No.1 GMT

Lorcaを代表するモデルのひとつ、「Model No.1 GMT」。
GMT機能を搭載したこのモデルは、マーシャント自身のツアー生活にも欠かせないモデル。ヨーロッパ、カナダ、ニューヨークと、複数のタイムゾーンを行き来する生活の中で必要不可欠な機能でした。
LorcaのGMTは、無骨なツールウォッチとは少し違い、シルバーやブラックのダイヤルに刻まれた、端正で控えめなインデックス。ステンレススチールブレスレットのクラシカルなシルエット。機能性を備えつつも、都市の景色に自然と溶け込むような上品さがあり、旅する人のための時計、そして、旅から戻った日常のための時計。そのどちらの顔も持ち合わせています。

Model No.2 クロノグラフ — 日常の中の特別

Model No.2 クロノグラフ
Model No.2 クロノグラフ

もう一つの代表作が、「Model No.2 クロノグラフ」。

クロノグラフといえば、モータースポーツやアスリート向けのスポーティなイメージがありますが、Lorcaのアプローチは、ゴールデングレー、シルバー、ブラックといった落ち着いたカラーリング。シンプルに整理されたサブダイヤル配置。ジャケットの袖口にも違和感なく収まるミッドサイズのケース径。クロノグラフ機能はもちろん健在ですが、あくまで「日常使い」を主役に据えて仕上げられています。
ドレスウォッチの端正さの中にスポーツウォッチの頼もしさが内包されていることが「Model No.2 クロノグラフ」の個性です。

「音楽家がつくる時計」の意味

ジェシー・マーシャント

時計ブランドの創業者がシンガーソングライターなのは、時計業界においてかなり珍しいケースです。マーシャントはこのバックグラウンドを「強み」として活かしています。

音楽と時計の共通点は、両者ともに、時間という見えないものを扱う芸術であり、リズム、テンポ、間(ま)の感覚が問われる世界です。ダイヤルの上で動く秒針のリズム、針の動きが奏でる静かな音。ベゼルとケースの間に生まれる余白の妙。「時計づくりに通じる感性」と、どこかで深く繋がっている「作曲や演奏の感性」が、Lorcaの一本一本のディテールに宿っています。

「日常使いできる、ロマンチックで美しい時計」

Lorcaのブランドフィロソフィーは、一言で言えば「日常使いできる、ロマンチックで美しい時計」。

「ロマンチック」という言葉は時計の世界ではあまり聞かない表現かもしれません。しかしマーシャントは、このロマンチックという感覚こそが、現代の腕時計に最も足りないものだと考えています。毎日の通勤、何気ない会食、休日のひととき。そんな日常の中でふと腕元に視線を落としたとき、小さな美しさが心を一瞬だけ静かに揺らす。それが、マーシャントが言うロマンチックという感覚。機能だけでもない。存在感だけでもない。身につける人の毎日に寄り添いながら、ささやかな感動を運び続けることがLorcaの目指す姿です。

Lorcaが評価される理由

Lorcaが時計愛好家たちのあいだで静かに支持を集めている理由は、ブランド全体にわたる「過剰さの不在」にあると思います。派手な広告や過剰なブランドストーリー、声高な機能アピールもありません。

Lorcaにあるのは、ニューヨーク発の独立系ブランドという出自と、祖父から受け継いだ思いという原点。そして「日常に寄り添う美しさ」と「時計としての確かな実力」という哲学。
それらを真摯に磨き上げているからこそ、Lorcaは多くの選択肢の中で特別な存在として目に留まるのだと思います。

時計総合ニュースサイト「ウオッチライフニュース」の公式YoutubeチャンネルでLorcaを取り上げていただきました。
今回の記事とは別の視点でLorcaの魅力を語ってくれていますので、是非ご覧ください。
「30万円台のおすすめ腕時計」を聞いたら、まさかの展開に…!(前編)

Lorcaが描く、これからの時計

Lorcaはまだ若いブランドです。歴史もラインナップも、これから積み上げていく段階です。だからこそ、Lorcaのこれからを見届ける楽しみは、他の老舗ブランドにはない魅力でもあります。
祖父の腕時計から始まった物語が、ニューヨークの空気を纏いながら今後どんな景色を見せてくれるのか。これからの一本一本にその答えは宿っていきます。

時計は時刻を測る道具であると同時に、人生の伴走者でもある。そのことをLorcaは静かに思い出させてくれます。

※本記事は、HºM'S" WatchStore バイヤーチームによる読みものコンテンツです。
商品に関するお問い合わせは、各商品ページまたは公式サポートよりお願いいたします。

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