2026.01.15 Update.

HMS Brand Picks 「らしさで選ぶ、時計ブランド」 #02 – BALTIC(バルチック)

BALTIC(バルチック)の代表的なヴィンテージスタイル腕時計

フランス発マイクロブランド〈BALTIC(バルチック)〉を、
「らしさ」という視点から深掘りするブランドレビュー。

こんにちは、エイチエムエスウォッチストア編集部です。

“ブランドのらしさ”を軸に、時計選びがもっと楽しくなるヒントをお届けする HMS Brand Picks。
第2回は、フランス発のマイクロブランド BALTIC(バルチック) を取り上げます。

バルチックの魅力は、ヴィンテージの空気感を「雰囲気」で終わらせず、現代のサイズ感・実用性・価格にきちんと着地させていること。
さらに近年は、Only Watchへの出品や各種コラボレーションを通じて、“次のフェーズ”へ進む強さもはっきりしてきました。

バルチックは「ヴィンテージを再現しない」

「どこで、どう作るか」まで透明にする姿勢

バルチックは、生産背景の曖昧さが残りがちな時計業界に対して「できるだけ透明でありたい」という姿勢を明確にしています。
具体的には、主要コンポーネントの多くを香港で製造し、フランス(ブザンソン)のアトリエで組み立て・調整、アクセサリーはイタリア──というように、工程をきちんと開示しているのが特徴です。
この“透明性”が、デザインの説得力や価格の納得感につながっている。ここがバルチックの強さだと感じます。

パリ・NY・ロンドンに実店舗を構える“次のフェーズ”

もうひとつ、ブランドの勢いを象徴するのがリアル拠点。
バルチックは ニューヨーク/ロンドン にショールームを持ち(来店予約制)、オンラインでのZoomによるバーチャル接客もしています。
「ネットで人気のブランド」から「会いに行けるブランド」へ。
この一歩が、コレクションの奥行きを一段深くしています。

バルチック フランス(ブザンソン)のアトリエ

BALTICが刺さる理由

編集部視点で、バルチックの“らしさ”をひと言でまとめるなら、ヴィンテージの空気感を、現代のサイズと実用性に着地させるのが上手いブランド。
・ケース径が大きすぎない(36〜39mm前後が中心)
・文字盤はクラシックなのに、日常使いの視認性・丈夫さも確保
・ブレスレットやストラップで、雰囲気を変えやすい(“着けるシーン”の幅が広い)
“初めてのマイクロブランド”としても、“2本目・3本目の気分転換”としてもハマりやすいのが魅力です。

Only Watchへの出品で、一躍話題に(2021 → 2024)

バルチックが世界的に注目を集めた大きなトピックが、チャリティーオークション Only Watch への出品です。
単に話題づくりではなく、「やりたい表現を、設計で実現する」姿勢が伝わるのがポイント。

Only Watch 2021:初参加で示した“過去への敬意”と設計力

2021年は、36mmのユニークピースとして Pulsometer Chronograph Monopusher を製作。
ムーブメントには 1940年代のオリジナル Venus 150 を採用し、コラムホイール/手巻き/モノプッシャーという、通好みの構成に仕上げています。
落札結果は 50,000 CHF。初参加から、しっかり“評価”に繋がったのは印象的です。

Only Watch 2024:マイクロローター×永久カレンダーで“別格”を提示

2024年は “Baltic Experiments” 名義で、唯一の一点モノ Premier Quantième Perpétuel(永久カレンダー) を発表。
バルチックが開発した永久カレンダーモジュールを、Vaucher 5401 のマイクロロータームーブメントに組み込み、さらに Maclef の時計師たちとの協業で、2年以上のR&Dを経て完成させたとしています。
ケースは 37mm径/厚さ9.8mm(ステンレス+グレード5チタン)と、複雑機構にもかかわらずスリム。
結果は 55,000 CHF。2021→2024の流れを見ても、バルチックが“次の段階”へ踏み込んでいるのが分かります。

BALTIC(バルチック)Only Watchへの出品 2021 / 2024

HMSとのコラボレーションも実現

そして日本では、HºM'S" WatchStoreとの協業で コラボレーションモデルも誕生しています。
ベースは本格ダイバー Aquascaphe。グレーを基調にまとめたコンセプチュアルなオールグレーモデルで、世界限定150本。
39mm(316L)/200m防水/ダブルドームサファイア、ムーブメントは MIYOTA 9039(ノンデイト/42時間)。ケースバックには 「BALTIC×H°M’S」刻印+シリアルが入る特別仕様です。

BALTIC(バルチック)×HMSウォッチストア コラボレーションモデル

アーカイブが示す、バルチックの振れ幅

バルチックは「定番が強い」だけでなく、限定やコラボ、特別企画の積み重ねが面白いブランドです。
公式のArchivesでは、ブランドの歩みを 2017年4月から現在まで俯瞰でき、コレクション/コラボ/特別モデルが一覧化されています。
たとえば近年だけでも、Prismic Stone(2024)や、2025年の Aquascaphe Classic / Scalegraph Tour Auto 2025 など、テイストの違う展開が並びます。
“らしさ”を保ちながら、ちゃんと新しい。ここに、追いかけたくなる理由があります。

代表コレクションでわかる、BALTICの“らしさ”

バルチックの強みは、どのコレクションにも「ヴィンテージの引用」と「現代の使いやすさ」が同居していること。
ここではHºM'S"が特に“らしさ”を感じる代表作を、目的別に紹介します。

MR(Micro-Rotor)|クラシックを“薄く、美しく”まとめるドレスの最適解

BALTIC(バルチック) MR(Micro-Rotor)

バルチックの美意識がもっとも素直に表れるのが、マイクロローター搭載のMR。
36mmの端正なケースと、薄さ9.9mm(ガラスを除くと8mm)というスマートなプロポーションが魅力です。
ブレゲ数字のアプライドインデックスやリーフ針、小秒針を7時位置にオフセットした構成など、クラシックの文法を踏まえながら“今の目線”で組み直しているのがポイント。
「ヴィンテージの空気感は欲しいけど、日常でちゃんと使えるドレスがいい」――そんな方に刺さる一本です。

こんな方におすすめ
ジャケットにも私服にも馴染む、薄くて端正な“きれいめ機械式”を探している方。

Aquascaphe Classic|“本格ダイバー”を、毎日使えるバランスで

BALTIC(バルチック)Aquascaphe Classic

Aquascapheは、バルチックを象徴するツールウォッチ。
最大200m防水、ダブルドームのサファイアガラス、そしてサファイア製ベゼルインサートという「使うためのスペック」を、39mm前後の扱いやすいサイズ感にまとめています。
ヴィンテージダイバーの雰囲気はしっかりあるのに、素材と作りは現代基準。
つまり「雰囲気だけの復刻」ではなく、“日常で使う道具として成立している”のがAquascapheの強さです。

こんな方におすすめ
初めてのダイバーズでも失敗したくない。けれど王道すぎない一本を選びたい方。

Aquascaphe Dual-Crown|“コンプレッサー”の美学を、現代の実用機に

BALTIC(バルチック)Aquascaphe Dual-Crown

Dual-Crownは、コンプレッサーケースの文法を踏襲した二冠モデル。
内部回転ベゼルを2時位置のリューズで操作する構造で、外ベゼルよりも誤操作リスクが少なく、見た目の独特さも相まって“らしさ”が際立ちます。
文字盤はノンデイトで視認性重視、夜光はBGW9。
クラシックな顔つきなのに、ちゃんと道具として成立している――このバランスは、まさにバルチックらしいところです。

こんな方におすすめ
人と被りがちなダイバーズから一歩外して、構造やストーリーで選びたい方。

Aquascaphe GMT|“旅”をテーマに、スイスムーブメントでまとめる

BALTIC(バルチック)Aquascaphe GMT

GMTは、24時間ベゼル+第4針で複数タイムゾーンを管理できる“旅の道具”。
日付窓を6時位置に置いてダイヤルを整えたり、裏蓋に世界のタイムゾーンを着想にした刻印を入れたりと、実用と美意識の両立が見どころです。
「ヴィンテージっぽいけど、今の生活で使える機能が欲しい」人にハマります。

こんな方におすすめ
出張・旅行・海外とのやりとりが多く、GMTを“ちゃんと使う”前提で選びたい方。

Aquascaphe Titanium|より軽く、よりタフに。冒険仕様のアップデート

BALTIC(バルチック)Aquascaphe Titanium

チタンケース+300m防水という“冒険向け”の進化形がAquascaphe Titanium。
55gという軽さ、耐食性、そしてセラミックベゼルなど、素材から実用に振り切った設計が特徴です。
「旅行やアウトドアでもガシガシ使いたい」という人には、最も相性が良い選択肢。

こんな方におすすめ
軽さとタフさを重視して、日常〜旅先まで一本で行きたい方。

Hermétique|“37mmで150m防水”という、日常最強のフィールド

BALTIC(バルチック)Hermétique

Hermétiqueは、37mmという扱いやすいサイズに、150m防水と実用性を凝縮したフィールドウォッチ。
統合リューズや読みやすいダイヤル設計など、見た目はクラシックでも“道具としての完成度”が高いのが特徴です。
時計を「毎日使う前提」で選ぶ人ほど、この良さに気づきます。

こんな方におすすめ
休日も仕事も、気負わず使える“万能な機械式”を探している方。

Prismic|“光の表情”で選ぶ、現代のカクテルウォッチ

BALTIC(バルチック)Prismic

Prismicは、幾何学的なケース造形と複数仕上げのダイヤルで、光の反射そのものをデザインにしたコレクション。
薄さ9.2mmというドレスの軽快さがありつつ、素材の組み合わせ(スチール×チタン)など“今っぽさ”もある。
バルチックがヴィンテージだけのブランドではないことを示す、いいカウンターになっています。

こんな方におすすめ
クラシック一辺倒ではなく、デザインの“気分”で時計を選びたい方。

こんな方に、BALTICはおすすめ

・ヴィンテージの雰囲気は好きだけど、実用性は譲れない方
・サイズ感や装着感を大切にしたい方
・ストーリーのあるマイクロブランドを選びたい方
・1本で終わらず、長く追いかけられるブランドを探している方

BALTICは、派手さや分かりやすいアイコンではなく、
「使って、知って、少しずつ好きになる」タイプのブランドです。

HMSがBALTICをセレクトし続ける理由

私たちがBALTICに感じているのは、
“マイクロブランドらしさ”と“時計メーカーとしての誠実さ”が、
非常に良いバランスで共存していること。

ヴィンテージをなぞるだけでなく、
価格・品質・サイズ・供給体制まで含めて、現実的。
それでいて、Only Watchのような舞台では、きちんと挑戦する。

この振れ幅こそが、BALTICというブランドの「らしさ」だと考えています。

最後に|「いま選ぶ、ちょうどいいヴィンテージ」

BALTICは、過去を美化しすぎない。
でも、軽くも扱わない。

ヴィンテージの空気感を尊重しながら、
いまの生活にちゃんと馴染む形へ落とし込む。
その姿勢が、多くの共感を集めている理由だと思います。

初めてのマイクロブランドとしても、
時計好きが次に選ぶ一本としても。
BALTICは、ちょうどいい距離感で付き合えるブランドです。

※本記事は、HºM'S" WatchStore バイヤーチームによる読みものコンテンツです。
商品に関するお問い合わせは、各商品ページまたは公式サポートよりお願いいたします。

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