2026.01.09 Update.

HMS Brand Picks 「らしさで選ぶ、時計ブランド」 #01 – Nivada Grenchen(ニバダ・グレンヒェン)

こんにちは、エイチエムエスウォッチストア編集部です。

世界中の腕時計を見続ける中で、
「このブランドは、必ず伝えたい」と思わせてくれる存在があります。
Nivada Grenchen(ニバダ・グレンヒェン)は、まさにそのひとつでした。

派手な広告や話題性ではなく、時計そのものの完成度と、歩んできた歴史だけで評価され続けてきたブランド。
私たちHMSがセレクトに加えた理由も、そこにあります。

Nivada Grenchen(ニバダ・グレンヒェン)は、1950〜60年代に極地探検や深海開発で実用性を証明した、スイス発の本格ツールウォッチブランドです。

スイスの名門 Nivada Grenchen が描いてきた時間

探検・深海・空の時代を制した“道具としての腕時計”

1926年、スイス・グレンヒェン。
Nivada Grenchen は、オットー・ヴュリマン、ヘルマン・シンドラー、ヤコブ・シュナイダーの3名によって誕生しました。

創業当初の社名は Wüllimann, Schneider, Nivada SA。
彼らが目指したのは、単なる装飾品ではなく、「過酷な現場で、本当に役に立つ時計」をつくること。

まだ防水や自動巻きが一般的でなかった時代に、Nivadaはすでに――
・防水構造
・クロノグラフ
・高精度ムーブメント
といった“計器としての腕時計”を専門に開発。
1939年にはスイス国内展示会にも参加し、業界内で確かな技術力を持つブランドとして認知されていきます。

アメリカ進出と“Croton Nivada”の誕生

1930年代後半、Nivadaはアメリカの老舗時計ブランドCroton Watch Co.(1878年創業)と提携。
このパートナーシップにより、Croton Nivada / Croton Nivada Grenchenの名で米国展開を開始します。

1958年にはブランド名の権利問題を経て、正式に Nivada Grenchen へ統一。
1960年代には世界84か国以上へ展開するグローバルブランドへと成長しました。

Nivada Grenchen(ニバダ・グレンヒェン)スイスの名門が描いてきた時間

極地・深海・空へ ― “伝説”が生まれた黄金期

1950〜60年代。
Nivada Grenchen は、その名を歴史に刻むモデルを次々と生み出します。

Antarctic(1954)
アメリカ海軍の南極探検「Operation Deep Freeze」に採用されたモデル。
リチャード・E・バード提督の南極探検でも使用され、極寒の地での耐久性を証明しました。

Chronomaster Aviator Sea Diver(1961)
タキメーター、回転ベゼル、レガッタタイマーを搭載した陸・海・空すべてをカバーする多機能クロノグラフ。
現在でも「究極のヴィンテージクロノ」と称される名作です。

Depthomatic(1964)
当時としては画期的な自動巻き・200m防水のダイバーズウォッチ。

Depthmaster(1965)
防水1,000mという当時の常識を超える性能を誇った“深海への挑戦”を象徴するモデル。

クォーツショック、そして消滅へ

1970年代、日本製クォーツ時計の台頭とオイルショックにより、スイス時計産業全体が大きな打撃を受けます。

Nivada Grenchen も例外ではなく、1970年代後半にはスイス・ゾロトゥルンの工場が閉鎖。
ブランドは市場から姿を消してしまいます。

しかし――
ヴィンテージ市場ではその後も評価が高まり続け、“知る人ぞ知る名門”として語り継がれていきました。

そして2018年、伝説は現代に蘇る

2018年。
ギヨーム・ライデ & レミ・シャブラーの2人によって、Nivada Grenchen は待望の復活を果たします。

復刻第一弾としてChronomaster、Antarctic、Depthmaster が現代技術で再構築され、ヴィンテージの魂を宿した“新しいNivada”として再評価。

現在も、「歴史・機能・デザイン」すべてに裏付けのあるスイスブランドとして、世界中の時計ファンから注目され続けています。

いまも変わらない、実用時計へのこだわり

復活後の Nivada Grenchen は、単なるヴィンテージデザインの再現に留まりません。

・現代基準の防水性能
・サファイアクリスタルの採用
・スイス製ムーブメントの搭載
・日常使用を前提にしたケース設計
・アフターサポートまで含めた品質管理

こうした“いまの時計としての完成度”をきちんと備えたうえで、
あくまで「実用のための時計」であるという思想を貫いています。

ヴィンテージの佇まいをまといながら、安心して日常使いできるという点こそが、Nivada Grenchen 最大の魅力のひとつです。

Nivada Grenchen(ニバダ・グレンヒェン) いまも変わらない、時計づくりのクオリティ

ブランドを象徴するモデル

Nivada Grenchen には、探検・深海・空といった用途ごとに明確な思想を持った代表モデルが存在します。

ANTARCTIC(アンタークティック)|極地探検で実用性を証明したエクスプローラーズウォッチ

Nivada Grenchen(ニバダ・グレンヒェン) ANTARCTIC(アンタークティック)

アメリカ南極探検隊に採用された、氷と歴史が鍛えた伝説のモデル。
ANTARCTIC は1950年代半ばに誕生した、Nivada Grenchen を象徴するエクスプローラーズウォッチ。そのルーツは防水自動巻モデル「Aquamatic」にあります。

1955〜56年、アメリカ海軍の南極探検「Operation Deep Freeze I」において、隊員たちはこの Aquamatic を装着。氷点下の過酷な環境下でも正確に時を刻み続けた実績から、モデル名は功績を称えて “ANTARCTIC” と改められました。南極で性能を証明した、数少ない実用時計のひとつです。

オリジナルは35mmケースに、アールデコ調の数字や視認性の高いルミナス針を備えた無駄のない3針フェイス。
完成されたバランスと“本当にちょうどいいサイズ感”は、オン・オフ問わず使いやすく、初めてのヴィンテージテイストウォッチにもおすすめできる一本です。

DEPTHMASTER(デプスマスター)|1,000m防水で名を刻んだ伝説のプロダイバーズ

Nivada Grenchen(ニバダ・グレンヒェン) DEPTHMASTER(デプスマスター)

“1,000m防水”という当時の常識を破壊した、深海の伝説。

DEPTHMASTER は1965年に誕生した、Nivada Grenchen を世界に知らしめた本格プロフェッショナルダイバーズ。
当時主流だった150〜300m防水を大きく超える 1,000m防水 を実現し、スイス時計界に衝撃を与えました。

高耐圧設計のクッションケースや二重シール風防、ねじ込み式リューズなど、深海環境を想定した特殊構造を採用。
“道具として極限まで作り込まれた時計”を象徴する存在です。

6と9のアールデコ調インデックスが特徴的な通称 「パックマンダイヤル」 は、無骨さの中に宿る強烈な個性として、今も世界中のヴィンテージファンを魅了し続けています。

「道具なのに、異様にかっこいい。」
DEPTHMASTER は、その言葉を体現するダイバーズウォッチです。

CHRONOMASTER(クロノマスター)|空・陸・海を制した多機能スーパークロノグラフ

Nivada Grenchen(ニバダ・グレンヒェン) CHRONOMASTER(クロノマスター)

空・陸・海すべてのフィールドを想定して開発された、“スーパークロノグラフ”。

CHRONOMASTER は1961年に登場した、Nivada Grenchen を語るうえで欠かせない多機能クロノグラフ。
ダイバーズ、パイロットウォッチ、レーシングクロノの機能を一つにまとめた“すべてをこなす計器時計”として設計されました。

当時としては珍しい 100m防水クロノグラフ に、タキメーター、回転ベゼル、デュアルタイム、レガッタカウントダウンなどを搭載。
ダイビング・飛行・モータースポーツ・ヨットレースまで対応する万能性は、まさに“スーパークロノグラフ”と呼ぶにふさわしい完成度です。

無駄のないブラックダイヤルと高い視認性を備えたクラシックな佇まいは、今も色褪せることのない完成されたデザイン。

ヴィンテージクロノのテイストを、現代で安心して楽しめる。
それこそが、CHRONOMASTER 最大の魅力です。

F77|1970年代スポーツラグジュアリーを現代に蘇らせた名作

Nivada Grenchen(ニバダ・グレンヒェン) F77

1970年代スポーツラグジュアリーの名作を、現代に蘇らせたアイコン。

F77 は、1977年に誕生した一体型ブレスレットスポーツウォッチをルーツに持つモデル。
シャープなケースラインとケース一体型ブレスレットによる流麗なシルエットは、当時のスチールスポーツウォッチの先鋭的デザインを象徴する存在でした。

その希少な名作を、Nivada Grenchen は現代の技術で忠実に復刻。
サファイアクリスタル、スイス製自動巻ムーブメント、100m防水、ねじ込み式リューズを備え、ヴィンテージの佇まいのまま、日常使いできる実用性を獲得しています。

薄く洗練されたフォルムと完成されたプロポーションは、スーツにも私服にも自然に馴染むバランス。

「クラシック×モダン」をもっともわかりやすく体現する一本。
それが F77 です。

エイチエムエスが伝えたいこと

Nivada Grenchenは、“分かる人だけが分かればいい”という立ち位置ではありません。

むしろ、「本当にいい時計を、ちゃんとした価格で、ちゃんと使ってほしい」
という、極めて誠実な時計作りを続けているブランドです。

流行りではなく、10年後も、20年後も「いい時計だ」と思える一本。
それが、私たちがNivada Grenchenを選び続ける理由です。

※本記事は、HºM'S" WatchStore バイヤーチームによる読みものコンテンツです。
商品に関するお問い合わせは、各商品ページまたは公式サポートよりお願いいたします。

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